雨 空へ拓(ひら)いた夕刻 (ゆうこく)へと 太陽は砕けて墜ちてく 「待って 戻して、戻してよ」 影は引き上がって 祈るように― 「私じゃない!私じゃない!」 言葉は届かない。 再生不可能な感情と 記憶不可抗な解呪(デコード) 干渉法(かんしょうほう) 恨んでいった「臆病に」 重なる罪の犠牲は転落(アヴァター ラ) 硝子張(がらすばり)の月に鎮 (しず)めた火を 無計画に 失って苛(さいな)んだ 沿う不安と罪悪を押し殺して― 会って話して伝えたい言葉も 奇跡も希望も無いのに 「怖いよ、ひとりにしないでよ」 形じゃない、気持ちじゃない何かを 失ってしまった。 対 明確 兆し 不正確に 慟哭 喰らう 静寂に 采配は愚弄(ぐろう)「やめて!」 と経絡に 命題 不断 贖罪へと― 絡まった糸 解くように 重たい風 振り払うように —今叫んだ 「私だけ、 私だけがあなたを救えたんだ」 ああ、「また会えてよかったね」と 言って欲しかったのに 黄昏が解けてゆく 消えてゆく 何も見えなくなる