管制塔 照らす 太陽の 代わりにひとつ 灯る音楽を 視界に塞がる現実の 上を踏んで歩くように 僕らが旅に出るその理由を 見つけたいだけ 快晴の空に鼻歌と 薄雲の巻く日の二重円と 心の挙動ひとつさえ 式が与えられてたまるか 誰もできないことなんてない 誰も知らないだけ 昨日まで降っていた 雨の音も覚えていないな ただ靴紐を結ぶような ほんのちょっとの勇気で大丈夫 騒ぐ風の方向に沿って 夕暮れの反対へ逃げ出して 沈む日の10倍さえ届くような一歩で 回る空の中心に立って 遥か見えない正解の方へ もうとりかえしのつかないようなと ころまで 僕らが旅に出るその理由を 見つけたいだけ あるいはポケットに入っていて まだ気づいてないだけ 燦然と照らす太陽の 代わりにひとつ 鳴らす音楽と 掠れた昨日の延長戦 下書きに重ねる天の色 まだ未完成のまま平行線 画素じゃ見えないものを 見ようとして 指先で描いた放物線 結ぶ点は雲の向こうまで いろんな足音が響いては消えていく 世界で まだ綺麗なままの地平を僕らで汚せ 昨日を蹴って 騒ぐ風の方向に沿って 夕暮れの反対へ逃げ出して 沈む日の10倍さえ届くような一歩で 回る空の中心に立って 遥か見えない正解の方へ もうとりかえしのつかないようなと ころまで 誰にも見えない星をずっと 探しているだけ 暗闇だって目を開いて 夏の隙間に歌を描いて 思い出して 眠れない夜 僕ら なぞった星を ひとつくらいさ、届くといいな 夜が明けるのを見送る前に 聴こえるでしょう 朝の待つ方へ 管制塔 照らす 太陽の 代わりにひとつ 灯る音楽と 視界に塞がる現実の 上に描いた僕らの作戦と 薄明の空に鼻歌と ほどけた靴紐に躓いて 世界に溢れた群青の 欠片を映すその二重円を