日が暮れた街をカラスが飛んでゆく ただ阿呆とだけ鳴いて 腹が立って蹴っ飛ばした缶のしっぺ返し 汚れてしまったスニーカー 立ち止まって足元眺めて嘆いたら また阿呆と笑われて 睨みつけてやろうと見上げてみたら 空綺麗な夕焼け 散々な日々もこんな瞬間に やっぱりそんなに 悪いものでもないような気がしてしまう 忘れないように焼き付けて 帰り道いつもより寄り道して 味気ない日に砂糖を振って 甘やかしてみたりして 眠る前のビルのガラスに映り込む 疲れ切った君がなんだか可哀想 休めない暮らし 安くない薬の副作用 ただクスリとも笑えない 喧騒が耳を突き抜けていく やっぱりどんなに音を上げても消えない 誰かの怒鳴り 忘れないように焼き付けた あの頃の夕日通り思い出す 味気ない日に塩を塗ったような痛みが走る 日が沈む頃 誰かのもとへ帰る人の背中 眺めては 口笛吹いてひとりの夜へ また笑ったり泣いたり 本当はあなたと分け合いたいけど 忘れないように焼き付けた あの頃の夕日越しの笑顔とか 情けないほど思い出してすがりついて 手を繋いでまた明日 最後に見たオレンジ いままでとこれからの境界線 さよならまたこの夕日通りを並んで歩く日まで 忘れないように見上げたオレンジ あまりに綺麗で涙が出た くだらない日々 やるせない日々でも 悪くないと思えるのは あなたがまだ生きているから 夕焼けの中