沸騰する唾液を吐き出して 冷めるのを待っていた 君は乗り捨てられたチャリに かわいそうね、といった ぼくらはただの物だから 疑いなんて知らない 隠れてキスをするのが日課 変電所の陰で 一、二の三でキス・ミー なんにも考えないでね 止まない雨はないし 病まない人はいないよ 鏡が割れるほど端正な 身のこなしと容貌は 君が皆殺しにした人たちの 生き血を吸っていた証拠 灌木の傍ら寝転んで 君の首筋をなぞる ぼくの指の血管が青く浮いて 脈打つのが始まりの合図 一、二の三でキス・ミー なんにも考えないでね 止まない雨はないし 病まない人はいないよ 続けて二度目のキス・ミー 数がものをいうのさ 快楽だけが人生 愛のことなど知らないよ