Track by小谷美紗子
おかしな病が 流行るこの頃 あなたの背中を 摩ることもできない ガラス越しでもいいから 会いたい 声が聞こえなくても その手に触れられなくても ガラス越しでもいいから 会いたい 開かない窓があなたを 守るなら 窓越しに夢見よう 声は 分厚い窓に遮られるけれど 高ぶる心の振動が 互いを揺さぶるようだ 大きくゆっくり唇を動かし 何度も「ありがとう」と言うあなた 大きく頷くだけの私 ガラス越しでもいいから 会いたい 開かない窓があなたを 守るなら 窓越しに夢見よう 窓を伝う雨粒が 頬を流れているだけ 決して泣くようなことではない 決して諦めることでもない 誰だか分からなくても 会いたい 声が聞こえなくても その手に触れられなくても ガラス越しでもいいから 会いたい 手を握り 声が聞ける その時を 窓越しに夢見よう