ボロボロのドレスを身に纏い ここはどこ?私は誰? 何処の誰かも分からぬまま 深い森を1人彷徨う 少し歩いた所に落ちていた これは何?一体どうして? 無造作に置かれた一冊の本を 手に取り今開いてみる 最初のページをめくって 一瞬で心を奪った ここから走り出すストーリー 何だか妙に懐かしくて 僅かな記憶を辿った 偶然とは思えずに そこに記されていたのは何? 一体どんな? 魔女に捕われし王女を 救い出した英雄の記録 夢中にページをめくって 何日も寝ずに読んだ 次第に加速するストーリー 魔女は追っ手を放って 逃げる二人を襲った バッドエンドは突然に <♪> “ここはもう任せて、 君は先に行け、僕は後を追うから” “ええぃ小腎しい、 貴様などこうしてくれる” 魔法を唱えた 最後のページをめくると 少し癖のある字で “いつの日か、また会えるように” 涙は頬を伝って きっとまた明日を照らした 必然としか思えずに <♪> 目覚めたらすぐに続きを書こう 英雄を抱いて王女は眠る