網戸の向こうにはまだ 燃えつきそうな夏がある もう一度会いたくて ベッドを抜け出して 君の待つコンクリートへ 柵をこえた 蒸し暑い道をふらふら 気だるいだけの真夜中 あいまいな静けさに 名前のない二つの足音 馴染んでゆくよ ああそれでも さっきから 声がうわずって 僕じゃないみたい 繰りかえした 胸の高鳴りに 僕らが慣れても まだどっかで 命がけのつもりなんだよ はじめてを探して なるようにしかならないとか 言葉を覚えたってさ この肩はこわばって 呼吸はあせるんだ ほら ちっぽけに 二人にはたぶん余る 花火の束をぶら下げて 誰もいない川べりへ 暗闇抜けるとき 初めて繋いだ手は きっと最後 君は軽々火をつけて 僕は笑って見とれてた 両手からほとばしるのは 流れ星の色をして 君は魔法使いのよう ああ今なら 楽しいってどんなだったか 思い出せそうさ 輝いた あの日あの時を いつも眺めては いまの蚊帳の外にいた僕の 手を引いたのは君 いつの日か 今夜のこと 思い出す日が来たら ちょっと泣いてさ 僕はお礼を言うよ きっと 星達が帰る前に つないだ手をほどいて 朝にはもう僕らどこにもいないんだ ああ おやすみ 僕の夏 Lullaby to my summer Lullaby to my summer
