日常の隙間 落ちたインクの黒い点が 染みになって広がるような 違和感みたいなそれは 心の隅っこにずっといて 時折顔を覗かせた 駅前 進学塾 えんぴつの音カッカッ リノリウムの床に反射する蛍光灯 「はいやめ」 ざわめきが戻ってくる教室 想起される静と動のイメージ それは 良い予感? やな予感? 自分と 世界との境界線 進路指導室 帰り道の 冬の 冴えた夜気と住宅街 電線が 空を割る 何かが自分の知らない場所で 動きはじめている気配が それは 良い予感? やな予感? 「これはあなたの物語なのに あなたはまるで傍観者ね」 と言われた気がしたんだ