遅い夜は、何もかもが、 とても怖く、 忍び寄って来るように、 感じられる。 満月は明るくても、 いつもあるとは限らない。 半月や、三日月や、真っ暗な闇も、 その夜が、 何を意味するかを教えてくれるか。 月の形だけではわからない。 夜中に老女が、あなたを見つめて、 声をかけてきたら、どうするかな。 それは本当に人間なのか。 それとも、魔性が現れてきたのか。 Ah 神社も夜中は怖いよ。 稲荷大明神なんて、 本当にご利益をくれるのかな。 Ah 「お金を貸して」と 夜中に言われて、 素直に財布を開く人がいるかな。 逃げたい。 逃げたい。 だまされたくなくて。 どこへでもいいから、 明るいところへ、 知ってる人のところへ、 人ごみの中へ逃げたい。 だまされたくなくって、 だまされたくなくって、 逃げたいよ。 本物の神ならいいけど、 とてもそんなふうには、思えない。 深夜の魔性には、 気をつけようね。 気をつけようね。