昔 或る島に流された民の唄 遠く都から離れた名もない島 囚われの痩せた瞳に 飛び込んだまばゆい花 舞い上がれ 舞い上がれ 空に浮かぶ花 咲き誇れ 咲き誇れ 白く浮かぶ花 川のせせらぎが聞こえる静かな 十五夜 今宵最後の口づけ思い出す はたはたと鳴り止まぬ 光る耳 風の音よ 舞い上がれ 舞い上がれ 月を閉ざすほど 咲き誇れ 咲き誇れ 罪を奪うほど 見渡すは果てしなき果てしなき 水平線 蒼く蒼く澄んだ空 思い出すはあの人のあの人の呼んだ 声 幽かに聴こえる歌 舞い上がれ 舞い上がれ 空に浮かぶ花 咲き誇れ 咲き誇れ 白く浮かぶ花 我に揺れる花