相変わらずだなぁ 出発する前の日は眠れないね 忘れてるものは ないかい もしあったらまた送ってよ 「またね」 大気圏を突き抜けて始まった 僕の旅路 小さな手紙を届ける旅路 銀河の隙間を 漂いながら 随分遠くまで来た 君から託された手紙は 少しずつ増えていった ペルセウスからこぼれる あの箒星の群れは 僕を見て 頬を伝った 君の涙に似ていた 君の瞳とおんなじ コバルトブルーのインク たまに涙で滲んで読めないけれど いつか 千の日暮れを迎える 果てしない旅路の先 キミにちゃんと君の想いが 届けられるように あの日のキミと似ている姿で 僕は生まれてきた いつか手紙が届くようにと 君の願いを心に込めて キミはもう あの頃と 違う姿形で 僕の事を 君の事を 忘れてるかもしれないけれど 「海も空も染めていく 夕日と同じ色をした キミの琥珀の瞳が羨ましかった」 あの夜 僕を見つめつぶやいた 君のコバルトブルーが 僕の瞳に焼き付いている あの夜 君からもらった優しい嘘があるから 一人きりでも たぶん大丈夫 これは 大気圏を突き抜けた果てない旅路 千の日暮れを越えて キミへ この胸の手紙を 僕が役目を果たして キミに手紙を届けたら 君にむけて手紙を書くから