たとえばあなたがそこにいなかった として、 どれだけの痛みを 知らずにいられたかな。 たとえばあなたに 照らされなかったとして、 どれだけの色彩を 知らずにいただろうか。 見張り塔みたいに空を塞ぐ摩天楼、 なにかを祈るのも虚しい26:30。 殻になった数だけ募らせていく 想いを、 すり消してはすぐに 次の火をつけるだけ。 痩せた月が明日は消えて、 冬の息があなたに似てる。 滞る言葉もすべて 知っていたいだけ。 きっとそれも透いて、 真空さえ震わすようにあなたは 歌っていた。 その美しさを恨みながら 許されていた。 冷たい星の明滅がわずかに燃え 残るまま、 闇はまだ闇になりきれずに。 広い空を探そうよ。 なにも持たなくていいよ。 飲み込まれたとしても、 かまわないさ___ たぶん。 繋ぎ止めているものが なにか、わからなくなる。 そんな目で見ないでよ___ 透明が過ぎるから。 真空さえ震わすようにあなたは 歌っていた。 この歪つすら剥き出しても 許されていた。 冷たい星の明滅がたとえ 消えゆくとしても、 闇はまだ闇になりきれずに、 光が舞って、 あなたを待った。 たとえばわたしがここにいなかった として、 あなたはまた違う誰かを 照らすのでしょう。