路地裏に住み着いた 打ち捨てられた猫 瞳はいやに鋭く したたかに這い回る 雨に濡れゴミを漁る 街の色に混ざり込んで 頼りは何も ありはしないから その牙で その知恵で その足で 街に生きる ナイフのような鋭さは 砕けた心の欠片 その瞳は更に鋭く光り 痛みを睨み付ける 風に吹かれ流れ歩く 街に影を落としこんで 居場所はどこにも ありはしないのさ 寄り添えば なじられて 締め出され 街に一人 一人星空に 浮かべた願い 寄り添えば 疎まれて 蹴飛ばされ 弄られても 今すぐあなたに愛されたいのさ 寄り添えば 穏やかな 眼差しに 包まれたい 眠りたい 暖かな腕の中で