冴えない夢みたいな現状 私がいたって 誰も気づかない 宛名のないエンディングノート 先に書いとくね たまりにたまった あいつの置き傘 バスルームの 錆びついたシェーバー 夜中のうちにそっと 捨てておいて 街はいつも通り 騒ぐ 残り少ないバッテリーを抱いて 息遣いも聞こえないよ 似たような思い出がループ 生きてる意味って本当にあるのかな だって最後はサヨナラなのに テーブルに置きっぱなし 延期になったライヴのチケット どうせなら 理解る人にあげたいな 正社員で 働く彼 母さん だいぶ気に入ってたよね ごめん、黙ってて 別れてたの 一人に慣れて ずいぶん経つな 「レンアイなんて面倒くさい」 なんて はぐらかしてたけど 無理してたのかな 街はいつも通り 騒ぐ 残り少ないバッテリーを抱いて 息遣いも聞こえないよ 似たような思い出がループ 傷つかないように すぐ飽きられないように 痛みとか 無自覚とか やり過ごしてきたんだった 余命なんてもう知らない あなたの笑顔にもう一度だけ 会いに行きたいよ 今夜 忘れてもかまわないよ 涙なんていらないよ 何ひとつ残せないけど いま私ここにいるよ 忘れてもかまわないよ 涙なんていらないよ 覚えててくれてもいいよ あなたに贈る このエンディングノート 街はいつも通り 騒ぐ 残り少ないこの人生(とき)を抱いて 息遣いも聞こえないよ また新しい朝が来る