女鳥羽川(めとばがわ) 汀(みぎわ)に泪(なみだ) 夕風吹きぬけ 唇(くち)をかむ おんみ 何処(いずこ)に居るのやら 縄手(なわて)の通りや 千歳橋(せんさいばし) 行きかう笑顔 さんざめく 素直でなかった この私 女鳥羽川(めとばがわ) 泡沫人(うたかたびと)よ せせらぎ乱して 河石(いし)を踏(ふ)む おんみ 何処(いずこ)に居るのやら 刹那(せつな)の愛ゆえ 重ねつつ 忍(しの)びよる秋 抱きしめて 素直になりたい この私 中町(なかまち) 木戸口(きどぐち) 土蔵(くら)の中 枕の下に 鳴る瀬音(せおと) 瀬音(せおと)の主は 山雫(やましずく) 恋一筋の女鳥羽川(めとばがわ) 女鳥羽川(めとばがわ) 白鷺(しらさぎ)遊ぶ 川面に想いを よせたのに おんみ 何処(いずこ)に居るのやら 行く水 かえらぬ川なれど 町もしずかに 薄化粧(うすげしょう) 素直になります この私 刹那(せつな)の愛ゆえ 重ねつつ 忍(しの)びよる秋 抱きしめて 素直に待ちます この私