刹那、こぼれた その台詞を今も追っている あいつがよこした チューイングガムの 味が抜けた午前10時、 「何しよっか」なんて話した そんなことを思い出したんだ あの頃とは違う日々を 今、生きている 幻が胸を締め付ける度、思う 潮騒はその言葉をさらう あの夏、あの声、曖昧なまま 最近じゃあ街中で擬態してる 他人のような幸せに 繰り返す波のような罪悪感だ 茹だるような、まとわりつく、 あの記憶は 幻のようだ 愛や恋の説明も 当てはまらないなんて 不可思議な感情を いつまでも抱えていた 人波の中そっと浮かんで消えた 陽炎のような面影が 心の臓で暴れているんだ 幻は 漣に切なく、消えてく 足跡を追いかけられたなら 僕は、今も 幻が胸を締め付ける度、思う 潮騒はその言葉をさらう あの夏、あの声、曖昧でいい 刹那、こぼれた その台詞を今も追っている