眠れないまま朝、紫色の雲 あの人の言葉、読み返す日々 言いたいことなんてひとつも 無かったと 気づいたその日音楽を辞めた。 愛していますとか大切にするとか 誰もが一度は見たような 簡単で分かりやすい歌詞をならべて 歌にしたその日音楽は死んだ。 身体が燃えている 研ぎ澄ませば痛む 歩を進めば傷に血が滲む この身にあざむ針を抜いて 己の棘だと刹那に知る。 散々心に水を撒いて僕が今まで積み 上げた 誰にも 咲かせやしない景色のはずなのに 少しづつ色や線に影が落ちた。 鮮やかに咲いた天に揺らう花で 胸の底、帷を切り落とす 骨より深く血より熱く 噴き出る言葉で涙を拭く この身にあざむ針を抜いて 己の棘だと刹那に知る。