洋楽ヒッツにはマイナー気分に満ち満ちた名曲がある。深夜零時、FMラジオから流れてきた「ミスター・ロンリー」には、切なさが詰まっていた。そのときの暗い自分と向き合うよう。「オンリー・ユー」は場末の映画館のタバコの煙とトイレ臭が入りまじって身体にしみついている。「スタンド・バイ・ミー」はその映画館のスクリーンとともに。「悲惨な戦争」は、ベトナム反戦の時代の空気を、「悲しき雨音」にはちょっぴり失恋体験も根ざしていて、それは「アローン・アゲイン」へとつながっていく。「天国の扉」で絶望の淵をさ迷った10代後半、その後「明日に架ける橋」でなんとか踏みとどまったという、そんな半生を送られた方、きっといるはずだ。
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