クラッシック音楽になじみのない方も何となく聞いたことがある作品のプレイリストです。前回「Good nightの曲」を公開したところ「朝の曲のリストも!」というリクエストが多かったので、今回は「Good Morningの曲」リストを作ってみました。一口に朝の曲と言っても「爽やかな朝」「元気を出したい朝」「優雅な気分の朝」「落ち着きたい気分の朝」等、それぞれに合うクラッシック音楽があります。このプレイリストでは特に「清々しくさわやかに過ごしたい朝」にピッタリだと思う曲を集めてみました。今回も個人的な感覚で選曲してありますので、フィーリングが合わない場合はご容赦ください。
#1 エドワルド・グリーグ作曲 ペールギュント第1組曲 作品46 第1曲「朝(の気分)」
ノルウェーの作曲家グリーグが、同じくノルウェーの劇作家、ヘンリック・イプセンの戯曲「ペール・ギュント」のために作曲した劇付随音楽。冒頭の清々しいメロディーはあまりにも有名で、「朝」というタイトルからも朝に聴くクラッシック音楽としては必ず選曲される名曲。この曲からは緑豊かな朝の風景が想像されるが、実際の戯曲では、モロッコの砂漠の真ん中に取り残された主人公が、失意のどん底で故郷のノルウェーを想い返す場面で流れる。
#2 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調「春」作品24
ベートーヴェンが作曲したヴァイオリンソナタの中でも特に有名な曲であり、その幸福感に満ちた明るい曲想から「春」「スプリングソナタ」という愛称で親しまれている。ただしこのように呼ばれ始めたのはベートーヴェンの死後になってから。TVドラマ「のだめカンタービレ」第2話で、峰くんの進級試験の課題曲として千秋のピアノ伴奏で演奏される場面が印象的。軽やかで美しいメロディをヴァイオリンが奏でており、爽やかな朝にはよく合う名曲。
#3 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲 ディヴェルティメント第17番ニ長調 K.334 第3楽章
「ディベルティメント」とは18世紀中頃によく見られた器楽組曲のこと。日本語では「嬉遊曲」と呼ばれる。この曲はモーツァルトが作曲した20数曲のディヴェルティメントの中でおそらく最も有名なものの一つで、この第3楽章のメヌエットはしばしば「モーツァルトのメヌエット」と呼ばれ、広く演奏されている。全体が明るく美しい旋律に冨み、優雅でパリ風の華やかさもある。元々は貴族のために作られた娯楽音楽とのこと。
#4 ロマン・ホフシュテッター作曲 弦楽四重奏曲ヘ長調 作品3-5 第2楽章「ハイドンのセレナーデ」
この曲は長らくフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作品と見なされていたが、現在ではオーストリアの修道士、ホフシュテッターの作品であることが明らかとなっている。ホフシュテッターはハイドンの熱烈な信奉者であり、自らもハイドンの音楽様式にならって作曲を行っていた。本作品は流れるような美しいメロディーで知られており、TVや映画でもよく使用されている。個人的には朝に聴きたくなることが多い曲。
#5 ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲 ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV1049 第1楽章
ブランデンブルク協奏曲は全6曲からなる合唱協奏曲集。「ブランデンブルク」は地名で、その土地に伯爵に献呈されたためにこの名がつけられた。第4番は牧歌的な曲で、2本のリコーダーがソロ・バイオリンやチェンバロに支えられ、美しい響きの旋律を奏でている。TBS系TVで放映されているバラエティ番組「プレバト!」で、作品が紹介される時のBGMとして使用されている。リコーダーの音色が朝の目覚め曲としてピッタリの作品。なおブランデンブルク協奏曲は第5番や第3番も人気曲なので是非お聞きください。
#6 ルイジ・ボッケリーニ作曲 弦楽五重奏曲ホ長調 作品11-5 G.275 第3楽章 「メヌエット」
ボッケリーニの全作品の中で最も有名な曲であり、この第3楽章のメヌエットは通称「ボッケリーニのメヌエット」として親しまれている。元々はヴァイオリン2、チェロ2、ビオラ1の弦楽5重奏曲であるが、現代ではピアノアレンジ等で広く演奏されている。全体的に可愛らしく、ふわっとした優雅さにあふれる作品。ヴァイオリンのお稽古によく使用される「鈴木バイオリン教則本」第2巻に収載されており、ヴァイオリンを練習する人はこの曲を弾くことが多い。
#7 ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル作曲 ハープ協奏曲変ロ長調HWV294a 第1楽章
世界で初めて作られたハープのための協奏曲。バロック音楽のベスト集にも選ばれることが多い人気曲。ハープの音色がヘンデルの優雅な音楽と相まって、「天使が奏でる天上の音楽」と比喩されるほど落ち着いた気分になれる曲。この第1楽章の冒頭は親しみやすい旋律で有名であり、マツダやハウス食品のCM音楽として使用されたこともある。とにかくハープの音色が美しく、清々しい朝にはピッタリの作品。
#8 ヨハン・パッヘルベル作曲 3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグニ短調 「カノン」
今回リストにした前半のカノン部分は通称「パッヘルベルのカノン」として特に有名。カノンとは輪唱のように複数のメロディーをずらして演奏する技法・その様式の曲のこと。この曲では3台のヴァイオリンが全く同じメロディーを、計28回繰り返すベース音に乗せて演奏している。この曲のコード進行は「カノン進行」と呼ばれ、クラッシック音楽に限らず、現在多くの曲がこのカノン進行ベースの旋律となっている。例えばビートルズの名曲「Let it be」もこのコード進行が使用されているため、カノンの旋律に合わせて歌うことが可能。
…もっと見る