『むー の『BATMAN』始まりのYear One』『『Dark Knight』の呪縛か……DCコミック映画の迷走』に続く、アメコミ映画Soundtrackシリーズ第3弾!
スタン・リーとスティーブ・ディッコが作り出した、《マーベルコミック・ヒーロー》¨あなたの親愛なる隣人¨スパイディーの映画年代記です。
1977年のコロンビアのテレビ実写版、1978年の東映の特撮ヒーロー版に続き、映画版も検討されたが、ビルを飛び渡るなどの『スパイダーマン』のビジュアルに技術がついていけず、長年ペンディングされ続けてきました。
1985年、マーベルとの間の契約で、映画化権を持っていたキャノン・グループのメナハム・ゴーランが、トビー・フーパーを監督にしたモンスターホラー映画として企画するが、1987年に会社が消滅。
その後、キャノン・フィルムの後継会社の21世紀フィルムから、権利を買い取ったのが『ランボー』『ターミネーター2』のアンドリュー・G・ヴァイナと、マリオ・カサールのカロルコ・ピクチャーズ。
山師から山師へ……
そこで、カロルコと『ランボー 怒りの脱出』の脚本や、『ターミネーター2』の監督で縁のあったジェームズ・キャメロンが名乗りをあげます。
キャメロンは乗り気で、脚本作りから挑むが、カロルコが持つ契約は1996年5月までに作らなければ、権利はマーベル側に戻る約束。
そうこうしている内に、1995年にカロルコ、21世紀フィルム、マーベルのそれぞれ破産を申請するぐらい経営が悪化してしまいました…
キャメロンは、脱出。一路『タイタニック』へ……
それでは『スパイダーマン』はどうなるのか?……
『スパイダーマン』の権利を主張したのは、前述の3社と、RCA/コロンビア(後のソニーピクチャーズ)とバイアコム、MGMの 計6社。
ん?後の3社は何故?
21世紀フィルムが『スパイダーマン』のビデオ化権をRCA/コロンビアに、
テレビ化権をバイアコム(米 メディア大手。パラマウント映画が傘下 )に切り売りしてた事と、
破産の際、破産裁判所が21世紀フィルムの財産をMGMに売った為。
1999年の2月、いち早く動いたソニー・ピクチャーズがマーベル、MGMと和解、唯一裁判を継続してたバイアコムにロサンゼルス上級裁判所で勝利して、映画化権を獲得しました。
『死霊のはらわた』シリーズのサム・ライミが監督した3部作
①②『スパイダーマン』(2002年)
③『スパイダーマン2』(2004年)
④『スパイダーマン3』(2007年)
マーク・ウェブ監督によるリブート(再始動)作品
⑤『アメージング・スパイダーマン』(2012年)
⑥『アメージング・スパイダーマン2』(2014年)
……2009年8月31日、ウォルト・ディズニー・カンパニーが40億$でマーベル・エンタテインメントを買収。2011年には『スパイダーマン』も含めた商品化の権利も獲得。
この《おもちゃ》などの商品は、7億$近いビッグビジネス。映画が大ヒットすれば、当然グッズ売り上げに反映する為、他社でありながらソニーピクチャーズの『アメージング・スパイダーマン』のヒットは、ウォルト・ディズニー・カンパニーにも利益をもたらす事になるのだが…
『アメージング・スパイダーマン 1』は、製作費2億3000万$に対し興行成績7億5793万$。
『アメージング・スパイダーマン2』は、2億5000万$に対し7億898万$と、下降気味。
製作費の3倍以上からが、利益がでる映画業界。
……ソニーは、シリーズの打ち切りを決める。
「えっ!おもちゃなどの利益が...ナッシング 😵」by ディズニー。
2015年2月、ソニー・ピクチャーズとウォルト・ディズニー・カンパニーとの間で、『スパイダーマン』を共有するという歴史的な合意の取り決めが行われました。
で、誕生したのが
⑦⑧『スパイダーマン ホーム・カミング』(2017年)です。
ながなが、ありがとうございました 😄
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