牧神パンと葦の笛

牧神パンは頭に２本の角と毛むくじゃらの下半身に山羊の爪先を持つ半獣神。パニックの語源とも云われるようにひと度雄叫びを上げると人々は混乱と恐怖に陥るそうでございます。また性的能力の象徴ともされるようで数々の性豪ぶりを示すお話も幾つかございます。あやかりたい。 ある日アルカディアの野に棲む美しいニンフのシューリンクスを見初めた牧神パンは逃げる彼女を追いかけ川のほとりまで追い詰めていくが一方のシューリンクスには既にアルテミスという想い人がおりそこで身を守るために彼女はその場で葦に姿を変えたそうでございます。残念に思った牧神パンはその葦を刈り取って笛を作りそれ以後肌身はなさずその笛を持ち歩いたようでございます。そしてその笛の音といえばこれまた大層悲しげな音色であったとかなかったとか。