“ 二月の港 ”
散歩道
少し足をのばして漁港まで
独特な市場の香り
昼間の風景に人の気配は無く
青や黄色の
プラスティックトレー
錆呆けたドラム缶に
水産会社のロゴの入った
そんな板切れが燃やされている
車道の半分くらいまで占拠して
漁師が海老網を広げ
コツコツと修繕作業をしている
釣り人が 二、三人
舟の行き来のなくなったバースから
糸を垂らして
海底のカレイを狙っている
駐車場には軽トラックが数台
事務所らしき建物も
一階にはもう灯りはなくて
二階の窓から蛍光灯の光だけが見える
昔は稼働していただろう
魚の加工工場と
たぶんその従業員達が住んでいた
今では完全に廃墟となった
コンクリートアパート群
窓ガラスも割れてしまって
この先には灯台
夕方になると明かりは灯すが
敷地は立ち入り禁止となっているので
今日はこの辺で
引き返すことにしようかな …
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