一芸も磨けば己が身をたすけ
人の心を潤す泉水ともなり
あまねく世を照らす光ともなる。
─玉と磨かば磨かる玉よ。
人生は一個の芸術。そして誰もが一人の芸術家になり得る。
キャンバスはなくとも楽器を持たなくとも
口から発する言葉や心から発する思いやりが
そのまま美しい絵画ともなり美しい音楽ともなる。
そんな美しい瞬間が人生には確かにある。
光をともなって僕の前にあらわれ
いつのまにか風のように去っていく。
そんな美しい魂との邂逅─そのきらびやかな明滅が絶えず繰り返されていく日々。
そこから僕はどれだけの恩恵を受けてきたことか。
深い闇の中に灯される一点の光─闇が深ければ深いほどひときわ際立つ一点の光は美しい。
目を閉じていても僕はその光を感じることが出来る。
さしのべられたその手に導かれるまま
いつしか僕はその光と一体となる。
それは一つの芸術が生まれる瞬間─創造の神がこの命にすっと入り込む瞬間なのだ。
…もっと見る