映画業界には苦難の2020年……
東海岸と西海岸のメインシティの映画館が封鎖され、ハリウッド・ブロックバスターは上映を控える…と、言う選択を余儀なくされました。
一部は、配信での上映になり(『ムーラン』とかね )
映画館で上映されるのは、《陽のあたらない》作品揃いになりました。
①『ブラッドショット』(20年)……
2020年5月29日公開
『ワイルド・スピード』シリーズのヴィン・ディーゼル主演でお送りする、ヴァリアント・コミックス漫画『Bloodshot』の映画化。
シリーズ化、ユニヴァース化を目論んだが、
全米公開 2020年3月と、ガッツリ《コロナ》時期と被さり
製作費、$45,000,000 の所、全米で $10,021,787 ⤵
世界興行収入は、$28,428,855 と大撃沈 ⤵
《ストーリー》
アメリカ海兵隊員のレイ・ギャリソン(ヴィン・ディーゼル)は、
何者かの襲撃を受けて妻ジーナ(タルラ・ライリー)とともに拉致され、
襲撃の首謀者マーティン・アレックス(トビー・ケベル)の手によって妻を殺されてしまう。
自身も撃たれて生死の境をさまよったレイだったが、とある組織のナノテクノロジーによって蘇生に成功。
記憶を失ったものの、体中の血液が生物工学ロボット「ナナイト」に置き換わり、
圧倒的なパワーと回復能力を持った超人へと生まれ変わる。
やがて、あることがきっかけで妻を殺された記憶を取り戻したレイは、
愛する妻を殺したマーティンを見つけ出し、復讐を果たすが……。
『サイコキラー』は、マーティンが殺しをする時にかける音楽。
これにのってヴィン・ディーゼル夫妻は殺されるが、実は……
ま、いろいろ惜しい映画。
上映時期が悪かった ⤵
②『ハスラーズ』(19年)……
2020年2月7日公開
主演は『クレイジー・リッチ!』(18年)のコンスタンス・ウーと
《 J. Lo 》歌姫 ジェニファー・ロペス
ニューヨークで実際に立てられた計画を基にしたクライムムービー。
ストリップクラブの女性たちが、ウォール街で働く人々から大金を奪おうとする実話の映画化。
アメリカで興行収入100億円突破の大ヒットとなりました!
ジャネット・ジャクソンの名曲『Control』がテーマソング的に使われています。
『 Money 』by Cardi B もね。
でも本プレイリストではエンディング曲『ミス・ユー・マッチ』を。
経済危機を起こした当事者なのに裕福な暮らしを送る金融マンたちから、ストリッパーたちが頭脳と体を使って金をむしり取る話なので面白く観れます。
また、ジェニロペとウーの姉妹のような関係、女達の結束と挫折……切なく感動的です。
おすすめします。是非、御覧下さい!
③『サーホー』(19年)……
2020年3月27日公開
インドで興行収入43億ルピーを記録した大ヒット映画
(ざっくり約60億円!)
『バーフバリ』シリーズなどのプラバースを主演に迎えたクライムアクション。
監督は、『バーフバリ』シリーズなどのS・S・ラージャマウリ監督の弟子であるスジート。
『愛するがゆえに』などのシュラッダー・カプールが主人公の相棒の警察官を演じました。
複数の犯罪組織が牛耳る大都会ワージーである日、組織の頂点に立つロイが交通事故を装い殺される。
組織の構成員で有力者のデウラージが後釜を狙うが、ロイの息子も新しいボスに立候補する。
そんな折、ムンバイで200億ルピーの窃盗事件が起こり、潜入捜査官のアショーク(プラバース)が捜査を始める。
どうもインド映画の主役のキャラは好きになれない ⤵
普通に嫌な奴……なんだな……私から見ると。
でも、こういうキャラが、インド人の憧れなんでしょう。
金のかかったドメスティックな映画ですね。
④『グッド・ボーイズ』(19年)……
2020年6月12日公開
2019年8月16日、本作は全米3204館で公開され、公開初週末に2140万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位の大ヒットになりました。
女子から初キスパーティに招待された小学6年生の
マックス(ジェイコブ・トレンブレイ)
ルーカス(キース・L・ウィリアムズ)
ソー(ブレイディ・ヌーン)は、
憧れの《kiss》初体験を目指し、あの手この手でリサーチを開始。オトナの世界に好奇心が止まらない!
そんな中、父親の大切にしているドローンが粉砕する事件が発生。
新品が手に入るのは遠く離れた隣町のショッピングモール。
父親が仕事から戻る前に手に入れなければ、外出禁止で<初キス・パーティー>に参加できない―!?
彼らはオトナになるための初キスを賭け、前代未聞の壮大な旅へ出るのだが、そこで思わぬ大騒動を巻き起こしてしまう~!
監督:ジーン・スタプニツキー
脚本:ジーン・スタプニツキー、リー・アイゼンバーグ
製作:セス・ローゲン、リー・アイゼンバーグ、エヴァン・ゴールドバーグ
ア〇ルビーズに大爆笑!
面白く、しみじみする。ちょっとHな性春映画です!
⑤『ジェイコブスラダー』(19年)……
2020年1月3日公開
「未体験ゾーンの映画たち2020」にて上映。
1990年に公開されたエイドリアン・ライン監督・ティム・ロビンス主演、同名のサイコスリラー映画をリメイク。
ジェイコブ・シンガー(マイケル・イーリー )は、アフガニスタンでの軍役を終えた後、外科医として勤務していた。
そんなある日、ジェイコブの元に衝撃の一報が飛び込んできた。
見覚えのない男性が近寄り、兄は生きていて、ほかの退役軍人たちと地下シェルターで暮らしていると話したのだ……
アフガンで戦死したはずの兄が実は生きている……
事の真偽を確かめるべく、ジェイコブは調査に乗り出したが、奇妙な事が多発し、現実との境界が曖昧になっていく……
世間では、駄作…と言われています。
どうなのかはご確認を。
私の感想は、そもそも《一発ネタ》をリメイクするのは、厳しいよね……と、思いましたとさ。
⑥『ルース・エドガー』(19年)……
2020年6月5日公開
監督は『クローバーフィールド・パラドックス』(18年)のジュリアス・オナー
主演は『WAVES/ウェイブス』(19年)のケルヴィン・ハリソン・Jr
脇をナオミ・ワッツ、ティム・ロス、オクタヴィア・スペンサーが固めています。
バージニア州アーリントンで白人の養父母(ティム・ロス&ナオミ・ワッツ)と暮らす黒人の少年ルース(ケルヴィン・ハリソン・Jr)。
アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服した彼は、文武両道に秀で、様々なルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている。
(オバマ2世みたいに言われてます)
模範的な若者として称賛されるルースだったが、
ある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)と対立するようになります。
ルースが危険な思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母にも疑念を生じさせていき……
《少年ゲリラ兵》だった過去を持つルースは、優等生の仮面を被ったテロリストなのか?……
2020年、要注目の映画です。
ルースの息苦しさは、《ボンクラ》の私にも伝わります。
⑦『21世紀の資本』(19年)……
2020年3月20日公開
現在の資本主義の問題点を解説し、
35カ国で翻訳され、経済学書としては異例の300万部という売り上げを記録したフランスの経済学者トマ・ピケティ氏のベストセラーノンフィクションをドキュメンタリー映画化。
本は700ページという超大作のため、完読が難しく、そこで著者のピケティ自身が監修から出演までこなし、一般の人も五感だけで理解できるようにした親切設計!
ドキュメンタリーを手掛けてきたジャスティン・ペンバートンが監督。
「なぜ格差が生まれるのか?」
「働いてもお金持ちになれないのはなぜか?」
「社会の何を変えなければいけないのか?」
ピケティは同書で、過去300年間のデータをもとに富裕層と貧困層の格差は広がっていることを実証。
それが歴史的に見て資本の収益率は経済の成長率に比べて高いという、
有名な不等式「資本収益率>経済成長率(r>g)」であります。
この構図が社会的地位の固定化と人々の区分や対立をもたらすと考えるピケティは、「現代は第一次世界大戦前の不平等な時代に戻ってしまっている」と警鐘を鳴らし、
格差拡大と永続化を避けるには累進資本課税が必要と力説する。
どんなに頑張って働いても、お金持ちになるのは結局資本を持っている人なんです……
映画を観た時は、なんかわかったような気がするが
この映画の最大の問題は、吹き替え版が上映されなかった事。
情報量が多いので、こういう時こそ《吹き替え》なのですよ。
字幕を一生懸命読みましたよ。
面白かったけど……頼んますよ!吹き替え版!
音楽は、ジャン=ブノワ・ダンケル。
⑧『ミッドサマー』(19年)……
2020年2月21日公開
私は、171分(ディレクターズ・カット版)を鑑賞。
(148分(劇場公開版)もあり)
長編デビュー作『へレディタリー/継承』で注目されたアリ・アスターが監督と脚本を務めた異色ミステリー。
スウェーデンの奥地を訪れた大学生たちが遭遇する悪夢を映し出す。
主役のヒロインは『ファイティング・ファミリー』のフローレンス・ピュー。
なんと『ベニスに死す』(71年)の美少年、ビョルン・アンドレセンも出演!
びっくりしたよ。
家族を不慮の事故で失ったダニー(フローレンス・ビュー)は、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。
美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。
しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。
妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
と、言う話で大評判になり、
製作費 $9,000,000 で、世界興収 $41,084,036 の大ヒットに!
監督のアリ・アスターは《ホラー》の巨匠に……
しかし、まんま『ウィッカーマン』(73年)
正直、既視感が強い……
『ヘレディタリー/継承』もあまり好きではなかった…
私、たぶん アリ・アスター、苦手です ⤵
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