“ 雲は形をかえて ”
今日はとても良い天気で
雲が形を変えながら流れる
ベランダで珈琲を飲みながら
湿った風を頬に感じ
小鳥の囀りに耳を傾ける
雲をバックに旋回する鳶
それを警戒する鳴き声だったか?
マグカップを
小さなテーブルに置いて思う
もう僕は走ってはいないなと
微笑みながらゆっくり
終わりに向かって歩いている
納得しているかどうかなんだ
陽に照らされる海へ
視線を落として思い出す
苦労して海底に敷いた
グラスファイバーのライン
ネット環境が届いた地域の人々は
きっと喜んでくれたのだと思う
そのラインも衛星に役目を引き継ぎ
徐々に使命を終えようとしている
時代も形を変えながら流れる
人の心もそうなのだろう
別れがあり、出逢いがある
マグカップを持ち上げ
口にすれば珈琲は冷めている
理解できるかどうかなんだ
速度を落として
穏やかにゆっくり
そんな僕の周りには
新たな人たち
今までとはまったく違う繋がり
微笑みながら支えてくれてる
雲は流れ
もうあんなに遠くへ去っていった
頭上には透明な青空
納得し理解し受け入れることだ
それが黄昏に立ち向かう鍵となる
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