The Return of Destruction

　 今、世界の嘘が剥がれはびめている 綺麗に塗り直される前に 五感を研ぎ澄まし真実を意思に刻みこもう Now the lies of the world are beginning to peel away, and before they are painted over again, let's sharpen our senses and engrave the truth into our will. “ 風景詩 ” 鉛色の空から冷たい雨 瓦礫の街を彷徨って 折れたエントツ 錆びたモーターバイク 灰と鉄粉の土に オイルの水溜まり 剥がれかけた壁 雑居ビルを擦り抜けて 辿り着いた金網のフェンス その向こうは 霧のかかったような世界 ただいつか嗅いだ 微かな懐かしい匂い 金網に指を絡めて 頬を押しつけて 耳を澄ませば 小鳥の鳴き声が 聞こえる気がした 目を凝らす霧の中から あの人は現れた 空気が変わる 温度さえ上がり 風がおこった 薄っすら晴れた フェンスの向こうには 草原の大地 豊かな水を湛えた湖 その向こうには濃緑の山々 その人がこちらを見て呟く これがここの三百年後の世界かと 深く俯いて 握りしめた手を開くと 掌にぼんやりと光る何か 彼はフェンス越しに私の目を見て そっとそれを握らせ言った 君こそその世界から 何が見えるか見てみるべきだ