AWA
このページをシェア

説明文

広島生まれの復員兵 美能幸三 は、第二次大戦後 ヤクザの世界に身を投じます。 1950年~1972年 頃まで起きた《広島抗争》の中で、逮捕され《網走刑務所》に服役していた際に 《広島抗争》を含む 獄中手記を5年に渡り 四百字詰め原稿用紙 700枚 書き下ろし 出所後 元読売新聞 社会部副編集長 飯干晃一の手に渡り 『仁義なき戦い 広島やくざ流血20年の記録』として 昭和47年から 46回に渡り「週刊サンケイ」に連載される事になります。 当時《トラディショナル》な任侠映画が低迷しだし、新たな路線を模索していた 東映のプロデューサー 日下部五朗は、 この『仁義なき戦い』に出会い 美能幸三が遺書のつもりで書いた ヤクザ社会の ド迫力な《内部告発》に圧倒され すぐさま映画化権を取得します。 当時、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』(72年) の大ヒットも後押しとなり、製作が進みますが 題材が題材だけに ( 抗争の当事者は、多数 御存命😅) ドキュメンタリーで作る案もあったそうです。 脚本の笠原和夫は、美能幸三に会い、実際の現場を取材し、 主人公を美能幸三 ( 映画では 菅原文太 ) ではなく 松方弘樹が演じた 山守組若頭 坂井鉄也 に考えていましたが、 後のシリーズ化も考慮して 生き残る 美能幸三 ⇒ 広能省三 になりました。 元々の主役候補は 渡哲也。しかし、当時 肺を患い 熱海で療養中の為 まだ、トップスターになっていなかった菅原文太に。 菅原文太は 新東宝でデビュー。 新東宝 倒産後は松竹に移籍。そこで《モノホン》安藤昇と昵懇の仲になり、そろって東映に移って来て 売り出し中。 一方の《映画界の雄》東宝でも 製作を考えており、その際には『独立愚連隊』(59年) の 佐藤充 を主人公に予定していました。 みんなを振り回す 山守組の山内義雄 役に 三國連太郎が候補に上がりましたが、 東映 岡田茂 社長の《鶴の一声》で 金子信雄に。 当時 これまた病気療養中だった金子信雄は 「死んでもやる!」と 強い意気込みを見せました。 ( ちなみに、金子信雄の代役として、《2代目水戸黄門》西村晃が決まりかけてました。) 『仁義なき戦い』の裏の主役たる 金子信雄のコミカルで デフォルメされた熱演は この映画をただのヤクザ映画 にしない 奥行きを見せました。 『オレたちひょうきん族』とかで、片岡鶴太郎が よくマネをしてましたね (笑) 監督は 中島貞夫と深作欣二で もめ、最終的に 脚本をいじらない事を条件に 製作3日前に 深作欣二に決定。 深作欣二は 東映東京撮影所を主戦場にしていた 42歳の中堅監督でした。 深作は 脚本を読んだ感想をこう語ってます。 「準備稿を読み終わった時、正直な話、私は眼を洗われたような思いだった。」 「私が模索しつつ どうしても掴みきれなかった世界が 見事に描き尽くされ、お前がやりたかったものは これだろう!と突きつけられた為である。」 深作欣二は 詳細な打ち合わせもないまま ぶっつけで撮影に突入しました。 その撮影方法は、当時では型破りで 《観客からの見やすさ》《スターの美しさ》を求め、カメラをフィックスさせ、ハッキリした構図の《東映スタイル》ではなく 手持ちカメラを使い、主人公と共に走り回り、血糊がレンズに付いても お構い無し! スターより 大部屋俳優の指示を先にし、無名の役者達の エネルギーを画面にとらえ、殺す側も殺される側も激しく動く 壮絶なアクションを 次々と送り出しました! 映画は 配給収入 5億7千万の大ヒット! 1973年 の邦画興行収入 7位! シリーズ化を進め 第2作『仁義なき戦い 広島死闘篇』は4.8億 第3作『仁義なき戦い 代理戦争』は4.9億 翌年の 第4作『仁義なき戦い 頂上作戦』は3億 最終作『仁義なき戦い 完結篇』は3.7億 を稼ぎ出しました。 完結したシリーズは、興行の必要性により その後も『仁義なき戦い』と冠され 続いていきます。 シリーズが続けは、作品には出来不出来の波が起こります。 しかし このシリーズの立ち上がりの想いは、 テレビに押され 斜陽に陥った日本映画界の意地と 様式美を優先するあまり、リアルさを失った現場への反発… そして、監督、現場スタッフの記憶に刻まれた《戦争》 が、画面の端々に刻まれ 突如として訪れる《死》 死とは 決して劇的で 華やかなものではなく、突然 何の感情もなく 訪れる…という描き方が、観ている者の 心を掴んで離さないのです。 《選曲》 ①③⑥『新・仁義なき戦い』(00年) シリーズ第10作 ②『仁義なき戦い 代理戦争』(73年) シリーズ第3作 ( ちなみに、私はこれが一番好き、ほとんどコメディ😄) ④『その後の仁義なき戦い』(79年) シリーズ第9作 ⑤⑦『新・仁義なき戦い / 謀殺』(03年) シリーズ第11作 ⑧『仁義なき戦い 広島死闘篇』(73年) シリーズ第2作 ま、『仁義なき戦い』シリーズは最初の5部作 次の『新仁義なき戦い』シリーズ 3部作 といった分け方 なんですが😅
…もっと見る
はじめての方限定
1か月無料トライアル実施中!
登録なしですぐに聴ける
アプリでもっと快適に音楽を楽しもう
ダウンロード
フル再生
時間制限なし