“ 正義の悪魔 ”
ジョニーは1930年代にハンガリーの
わりと大きな都市で生まれた
ユダヤ人だった彼は
第二次世界大戦時にドイツの
ホロコーストによって
家族共々命の危険に晒された
なんとか生き延び学生になった彼は
哲学と経済学の虜になっていく
とりわけカール・ポパーの思想に
感化され、社会の捻れに失望していった
卒業後彼は経済的に圧迫されていた
ヨーロッパを脱出し
財力と自由を求めアメリカへ移住する
彼のアメリカでの生活は
経済面では順調であったが
自由な国と聞いていたアメリカは
ジョニーにとってとても精神的な
苦痛を与え続けそこはヨーロッパと
何も変わらぬ場所だった
差別の国アメリカ
出身国で差別され
宗教の違いで差別され
肌、髪、瞳の色で差別された
そしてもう一つ
彼を苦しませていたものは
自分の持つ性癖だった
彼は男性でありながら
幼い少年へ欲情を抱いてしまう
それを
決して誰にも知られたくなかった
事業に成功し
莫大な富を生み出していく一方で
秘め事は膨らみ
自己肯定感は下がっていく
歴史主義の否定
未来は予測不能なものである
歴史に学び
その法則から導かれる思想は
必ずしも正解ではない
彼はポパーの言葉を思い出す
大金持ちになった自分に
媚びへつらう大勢の人々
この力と権力を駆使して
新しい世界を実現できないものか?
そのためには
伝統、宗教、国境、法に性別
常識といわれている物事を
一度すべて破壊しなければならない
私が実現する必要は無い
この思想を
受け継ぎ拡める者を育成する
そのためには財など無くなってもよい
世界を本当の自由の世界へ導く
そのためなら手段は選ばない
何もかもを利用する
犠牲があっても目を瞑るしかない
2025年、90歳を超えた今でも
ジョニーは視野狭窄的に
それらにエネルギーを費やしている
彼は正義の人なのか?
悪魔の化身なのか?
おそらくそれは彼を見る人の
環境や立場によって変わるのだろう
我々が正しいと思い込むものが
誰かにとっての地獄であるように
※ ジョニー・キャッシュの事ではないので
勘違いの無いようお願いします。
そんな人はいないと思いますが念の為w
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