“ アパート風雨演奏会 ”

“ アパート風雨演奏会 ” 窓から見られる今日の空模様は いつ泣き出してもおかしくない感じ やっぱり ハムエッグトーストを焼いてるうちに ベランダのトタンを叩く雨の音 久しぶりに聴く 不規則なリズムの太鼓隊 そこに風笛が入ってくる はじめは小さく ヒュー ヒュ ーヒュー 珈琲が淹いる頃には 空のグレーは濃さを増して 激しいドラムとティナー・サックス 熱い珈琲を口にしながら まるで ジャズの演奏を聴いているようで そこに飼ってるインコが ボーカルにくわわり歌いだす なんだかニコニコと笑えてきてしまう トーストを噛りながら僕は どうやってこれに参加しようかと考える 考えているうちに 雨のドラムは聴こえなくなり 小さくなってしまった風笛のメロディー インコのピロもボーカルをやめて もうおやつのブロッコリーを齧っている あゝ 完全に乗り遅れてしまった 久しぶりのアパート風雨演奏会