①『 ピンク・フロイド ザ・ウォール 』(82年)……
1979年に発売され大ヒットを記録したピンク・フロイドのコンセプト・アルバム『ザ・ウォール』を、アルバムのストーリーそのままに映画化した作品。
監督は『ミッドナイト・エクスプレス』(78年)のアラン・パーカー。
主演は《ブームタウン・ラッツ》の…というより、《バンド・エイド》の提唱者 ボブ・ゲルドフ。
30数ページしかない台本を、観念的且つ難解に映画化しています。
カルト映画ですね。
アルバム『ザ・ウォール』では「Part I〜III」の3部に分けられており、「Part II」がシングルとして発売されました。
《いわゆる》プログレッシブ・ロックでは無いですが、耳馴染みのある『アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2)』を選曲。
②『 恐怖の報酬 』(77年)……
『フレンチ・コネクション』(71年)でアカデミー賞監督賞受賞した ウィリアム・フリードキン監督作。
大ヒット作『エクソシスト』の次に選んだのが、1953年のフランス映画の名作、『恐怖の報酬』のリメイク。
ユニバーサルとパラマウントの 2 大メジャー・スタジオが、破格の2000万ドル(現在の100億円相当)の巨費を共同出資。
ロケは3大陸5ヶ国に及び、2年を超える製作期間を費やしました。
超超大作です。
しかし、『スターウォーズ』(77年)が大ヒットしていたアメリカで大コケ ⤵
そのため同作を海外で上映する際に、配給会社はフリードキンに無断で再編集を行い、
121分の北米公開版を92分にまで縮めてしまいます。
その為か、興行的に惨敗 ⤵
さらには2大メジャーの共同出資が原因で、権利者不明状態に陥り
長きにわたって全世界的に上映不可 ⤵
北米以外ではDVDも発売されなかった。
しかし、そんな状況に業を煮やしたフリードキンは2011年、自らスタジオ2社を提訴し権利者を特定、
2013年に121分【オリジナル完全版】のデジタルリマスターに着手!
同年のヴェネツィア映画祭でプレミア上映され、以後、2014年LA、2015年パリ、2016年カンヌ映画祭、2017年ロンドンで上映され、欧米各地で再評価の嵐を巻き起こしました!
人生の底から這い上がるため、
300キロにわたる一触即発のニトログリセリン運搬に命を賭けた男たちの運命を、
冷酷非情なリアリズムで描き切った、ウィリアム・フリードキン監督自身が
今もって 1 コマも修正したいと思う箇所がないと認める最高傑作であります。
観てない人は、是非!
凄まじい傑作です!
③『バーディ』(84年)……
『ピンク・フロイド ザ・ウォール』のアラン・パーカー監督作。
1985年の第38回カンヌ国際映画祭では、審査員特別グランプリを受賞し、パルム・ドールにもノミネートされました。
(ちなみにパルム・ドールは、エミール・クストリッツァ監督作『パパは、出張中!』)
主演は、マシュー・モディーンとニコラス・ケイジ。
本作のサウンドトラック・スコアは、元ジェネシスのピーター・ガブリエル。
自身のアルバム『ピーター・ガブリエルIII』『ピーター・ガブリエルIV』からインストゥルメンタルアレンジされた曲も使用されています。
③の曲は、ジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』(86年)で、印象的に使用されてましたね。
ベトナム戦争の体験で、心を固く閉ざしたバーディ(マシュー・モディン)に一緒にベトナムに行った高校時代の同級生のアル(ニコラス・ケイジ)が治療に協力しに来る……
④『マクベス』(71年)……
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で描かれた《シャロン・テート事件》後に再びメガホンをとったロマン・ポランスキー監督作。
もちろん原作は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』
未見ですが《事件》がトラウマになったことで、シェイクスピアの原作よりも、バイオレンス度の高い映画になっているとの事です。
音楽のサード・イアー・バンドは、1960年代半ばにロンドンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンド。
1993年に解散しました。
⑤『ナイトホークス』(81年)……
シルベスター・スタローンとビリー・ディー・ウィリアムズの刑事コンビが《テロリスト》ルトガー・ハウアーを追います。
監督はセガール映画の『ハード・トゥ・キル』(90年)のブルース・マルムース。
サウンドトラックは、《シンセサイザー・ミュージック》の創始者 《エマーソン・レイク・アンド・パーマー》のキース・エマーソン。
悪役《ヘイマー・"ウルフガー"・ラインハルト》役のルトガー・ハウアー、
アメリカ本格的デビューを果たしたこの作品『ナイトホークス』の印象深い演技により、次作『ブレードランナー』(82年)のレプリカント役で大ブレイクします。
⑥『アングスト/不安』(83年)……
1988年、VHS発売時の題名『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』として、
レンタル用VHSが発売されましたが
世の中に出回った数は極少で、ほぼ誰にも観られる事なく地下に埋もれてしまいました。
そんなVHSのみの日本未公開、1983年のオーストリア映画が
2020年、突如として『アングスト/不安』という題名で劇場公開!
1980年にヴェルナー・クニーセクが起こした一家殺害事件を、わずか3年足らずで映画化。
1983年公開当時はそのショッキングすぎる凄まじい内容により、本国 オーストリアでは1週間で上映打ち切り、
他ヨーロッパでも上映禁止、イギリスとドイツでは、ビデオの発売も禁止。
アメリカではXXX指定を受けて配給会社が逃げたといいます(笑)
そして、ヴェルナー・クニーセク役のアーウィン・レダーの演技が《モノホン》の異常者にしか見えない……
映画の中で、被害者宅の飼い犬が やたら なついていたので、ホントはきっと良い人なんでしょうが……
映画の中で犯人が、普通の手袋のまま手づかみでソーセージを食べるシーンがあるのだが、なんか変。
フォークか素手で食べなさい😫
音楽は、タンジェリン・ドリームに一時在籍していた《シンセサイザー・ミュージック》の巨匠 クラウス・シュルツェ。
いゃ~、良いですねぇ~😄
⑦『ラ・ヴァレ』(72年)……
フランスのバーベット・シュローダー監督の長編第2作となった幻の映画『ラ・ヴァレ』(1972年)が、公開から35年の時を経て2007年に日本初公開。
未開の地を舞台に、極楽鳥の珍しい羽根を採し求めていたパリのブルジョワ夫人(ビュル・オジエ )は、
若い冒険家たちと出会う。
彼らの生き方に心惹かれた夫人は、探検隊とともに地図に空白を残した処女の地を目指す。
夫人は富を投げうち、規則や制約から解放されてアダムとイヴのように裸になって秘境の谷、緑の楽園を旅していく。
まるで彼女の肉体からはある神秘の力が発散されたかのようだった……。
タイトルのラ・ヴァレ(LA VALLEE=谷)は、地上の楽園、楽園であるがゆえに行った人は帰ってこないという谷 。
地図には<Obscure by Cloud>としか記されていない、雲、霧に閉ざされて、おいそれとは人が近づけない場所……
ピンク・フロイドのサントラ盤『雲の影』は、この地図上の名称からきています。
撮影は、フランソワ・トリュフォー、エリック・ロメール監督作品などで有名な《ヨーロッパ屈指の巨匠 》ネストール・アルメンドロス。
「西洋文明から最も遠い場所」オーストラリア領パプアとニューギニアの奥地でオール・ロケを慣行した映像は、土着民の原始的な祭礼をはじめ、幻想的な密林の表情を見事に描き出しています。
観てませんが😅
⑧『クライム・オブ・パッション』(84年)……
今回のプレイリスト1の《プログレッシブ》な監督 ケン・ラッセル。
監督作は問題作揃い!
フィルモグラフィを見ると、最後の作品が『超能力者ユリ・ゲラー Mindbender (1996年 TV映画)』
ってのがイカレてる😵
妻エイミー(アニー・ポッツ)とふたりの子供に囲まれて平穏に暮らすボビー(ジョン・ローリン)は、
ある日、友人の紹介で企業スパイかも知れないファッションデザイナーのジョアンナ(キャスリーン・ターナー)を調査するバイトを引き受ける。
早速尾行して分かったのは、ジョアンナは夜になると、“チャイナブルー”という娼婦に変身、二重生活を送っていたのだ……
娼婦たちの罪業を治療しようとする牧師ピーター・シェイン役に『サイコ』(63年)のアンソニー・パーキンス。
……こいつ一筋縄では行かない奴😫
いやはやなんとも な《ドHEN〇AI》映画。
音楽は、プログレッシブ・ロックバンド「イエス」のリック・ウェイクマン。
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