難病の宣告を待っている 郊外の古い病院棟で 少年は時代を呪っている 飽和したセンチに浸っている 八月の烏のように夜は去っていく だって死んでしまっても 良いんでしょう? 生きていたって良いんでしょう? 明日まで死んで明後日は 生きていよう! ねえ先生、 僕は人間なんかじゃないのに どうしてここが痛いんでしょう? 遺言状は書いていないけれど まあ良い人生でした 現世は四方が地獄のよう ならば死後の世界は天国でしょう? 少年自ら死なむとすれば その道理にも筋があるってもんさ 八月の花火のように夢は散っていく 散っていくわ だって死んでしまっても 良いんでしょう? 生きていたって良いんでしょう? 明日まで死んで明後日は 生きていよう! ねえ先生、 僕は人間なんかじゃないのに どうしてここが痛いんでしょう? 遺言状は書いていないけれど まあ良い人生でした 良い人生でした
